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う蝕(虫歯)

虫歯で苦労しないために、知っておきたいこと

子供の頃から誰でも知っている身近な病気のひとつに「虫歯」があります。こんなに知名度が高いにもかかわらず、この病気の性格を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。

歯科医も例外ではありません。現在でも「虫歯はいくら治療しても再発するので、完全には治らない」と思っている歯科医が大勢います。そのような歯科医の中には、「治療はダメなので、これからは予防だ」などと開き直り、虫歯の治療はそっちのけで「予防」に力を入れる傾向があります。

虫歯は完全に治る病気です。原則として再発はありません。もしも虫歯が再発したとしたら、それは虫歯が不治の病だからではなくて、単なる治療の失敗と考えるべきものです。



特殊な場合を除いて、虫歯は歯の表面(エナメル質)から発症します。初期虫歯の原因菌はミュータンス菌で、それが口の中に残っている糖類を分解・発酵して、微生物の増殖の足場となるデキストランという粘着物を歯面に付着させるところから、虫歯はスタートします。

エナメル質は萌出直後が一番虫歯になりやすく、その後、加齢と共に虫歯になりにくくなっていきます。その理由は、萌出直後のエナメル質表面はまだ未成熟なためで、その後フッ素やカルシウムやマグネシウムを取り込んで硬くなり、う蝕抵抗性(虫歯になりにくい性質)を獲得するからです。

永久歯の萌出は通常6歳頃に始まり、12歳頃に最後の大臼歯が生えてきます。永久歯の虫歯は、萌出直後からおよそ2年以内にできてしまうことを考えると、その発生は6歳~14歳ということになり、虫歯は子供の病気であると言えます



虫歯は、神経が通っていない歯の硬組織(エナメル質や象牙質)にできるために、痛みがありません。ところが、虫歯が歯の深部(歯髄)近くまで達すると、「しみる」、「ずきずきする」などの痛みを伴います。これは虫歯によって「歯髄炎」という別の病気が引き起こされた結果で、虫歯による痛みは「歯髄炎」の痛みだったのです。つまり虫歯の歯が痛くなった時には、すでに虫歯の治療は手遅れということになります。

そのような場合は、「歯髄炎」に対する治療をしなければなりません。「歯髄炎」の治療は、たいてい痛みを取るために行われる、いわゆる神経(歯髄)を取る行為(抜髄)です。これは歯にとって「死」を意味します。

虫歯は自然治癒のない疾患ですから、一度できると「治療」が必要になります。治療のコツは、歯が無症状のうちに、つまり歯髄炎症状が出る前の段階で、徹底的に初期の虫歯を見つけ出し、きちんとした治療を生涯一度だけすることです。



虫歯の治療を成功させる条件は、「自覚症状(痛み)の有無の確認」、「徹底的な罹患歯質の除去」、「健全歯質の可及的保存」、「歯髄刺激の遮断と保護」となります。これが最低条件です。どの条件を1つ欠いても、治療が失敗する確率は高くなります。

虫歯の治療が完了した時点では、まだ歯に穴が開いた状態ですから、歯として使えるようにするためには、穴を埋めたり歯の形を回復したりする必要があります。そのために、金属やコンポジットレジンのような異物を使用して、歯に詰めたり被せたりするのです。このような行為を「機能回復処置」と呼び、その目的からしても、厳密には虫歯の「治療」ではありません。

虫歯になった歯が「治療」によって健康を取り戻し、それを生涯に亘って自分の歯として使おうと思ったら、理にかなった「機能回復処置」が必要です。つまり虫歯の治療とは、この両者の目的が果たされて、はじめて完結するのです。

もしも再治療になった場合、その失敗の原因を患者さんの「歯磨き」のせいにされがちですが、経験的に言っても、失敗の原因の多くは歯科医の判断ミスにあると考えた方が妥当なのです。