港区の歯周病・インプラント | アーサクリニック
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なぜ保険と自費があるの?

わかりにくい治療費の謎について
❑混合診療
保険 診療の限界
医療 費の格差
自費 診療はいい治療?
最善 の治療

治療費のことをお話する前に、まず知っておかなければならない治療費に関するルールがあります。それは「混合診療」です。「混合診療」とは、単に保険と自費の「費用の混在」を指すもので、治療内容を表しているものではありません。現行制度では、この「混合診療」は禁止されています。

つまり医療機関で一部でも保険外の診療を受けると、保険適用分も含めて、初診にさかのぼって全額が患者さんの自己負担になってしまいます。たとえば、保険診療を受けている途中に、保険給付対象外の処置(インプラントや歯列矯正やメタルボンド冠など)を行うことは、厳密に言って違法なのです。


保険診療は財源が決まっていますから、当然、治療内容や回数に制約があります。そのために、診療中に必要と思われる処置がある場合でも、赤字覚悟で行うしかありません。

見方を変えれば、これは医療の裁量権が侵害されていることにもなるわけですから、治るはずの病気も治りませんし、また治そうという気を失う可能性もあるでしょう。

実際、歯科における保険診療は、一時の症状を取り除くための応急処置程度と言った方がいいかもしれません。同じ歯の治療を、何年か置きに繰り返すことなどは、そのいい例でしょう。


患者さんの立場になってみれば、「すべて保険で」というのが理想ですし、医療サイドもその方がはるかに仕事をしやすいわけですが、歯科では、医科のようには行かないのです。

なぜなら、歯科に割り当てられている保険医療費は医科に比べると微々たる金額ですし、保険点数もまた医科より不当に低いこともあり、まじめに歯科医療に取り組めば取り組むほど、医業経営は赤字になります。それが歯科医業の現実なのです。

ちなみに、医科は歯科と違って保険点数が高く、たとえば医科は保険で世界最高水準の医療を行うことも不可能ではありません。

それに引き換え、歯科は低い保険点数の穴埋めに、以前から自費でメタルボンド冠や歯列矯正やインプラントなどをしています。

しかし、それらは病気の治療ではありません。単なる機能回復処置、つまり口の中の土木工事です。こうやって歯科では、医療の部分の不採算を補っていることになるのです。


歯科では「保険の治療はダメで、自費の治療はよい」という意見を聞くことがありますが、それは誤解を招くと思います。

たとえば、患者さんが保険給付対象外の高価な材料を選択した場合でも、それを口の中に入れることは、どんな病気の治療にもなりませんから、自費が「いい治療」ということにはなりません。詰めたり被せたりする以前の、虫歯や歯周病という疾患に対する治療が問題なのです。

同様に、歯列矯正やインプラントやレーザーやホワイトニングも自費ですが、病気の治療ではありません。


つまり、「病気の治療」と「機能回復処置」を混同してしまうから、分かりにくくなるのです。

考え方としては、最善の治療は1つなのですから、それを行う際に保険が利用できる場合は保険診療を、保険の規制枠からはみ出るような場合は、患者さんの同意の上で、健全な医業経営を行うために、その超過分を患者さんから自費でもらうことが一番自然なのだと思います。

冒頭で述べたように、これは「混合診療」なるわけですから、現行制度では違法行為です。しかし、事実上、歯科は混合診療が暗黙の了解で認知されているようですから、担当医と良く相談して、治療費を考える場合は、この「考え方」をベースにした方がいいでしょう。