港区の歯周病・インプラント | アーサクリニック
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治療と予防の関係は?

「治療より予防が大切」のウソ

❑最新の治療法?
治療より予防?
治療してから予防
歯の治療はやってもやってもダメ?
治療になっていない「治療」とは
早期発見・早期治療



最新の治療法?


『これからは「治療」ではなくて、「予防」の時代です。歯の治療は、いくらやってもいずれはダメになり、抜かれて入れ歯になるというように、「治療」には限界があるのです。だから、虫歯を見たらすぐに削る歯科医には注意しましょう。虫歯は再石灰化するので、探針で突ついて傷つけないようにしましょう。もしも虫歯で歯に穴が開いたら、そこのところだけを歯と同じ色のレジンで詰めましょう。また、よく歯を磨いてフッ化物を使用し、定期的に歯科医院に通いましょう。これがミニマル・インターベンションという最新の治療法です』

このキャッチコピーは最近の歯科界の傾向をあらわしたものです。「なるほど…」と感心する方もいるかもしれませんし、実際に歯科医から似たようなことを言われた方もいることでしょう。

治療より予防?


わたしが18年前に歯科医院を開業した頃は、この傾向はそれほど強くありませんでした。
当時の私は歯科治療にある種の限界を感じていましたから、このキャッチコピーの路線上に、正直自分の未来の歯科医像を重ね合わせていたのです。治療で歯を削るのは最小限にして、徹底的に予防をやるべきだと。これこそが本当に患者さんのためになる歯科医療なんだと信じていました。

この路線で一生懸命に取り組んだ結果、それなりの手応えはあったものの、医療従事者としての充足感は得られませんでした。理由は簡単で、予防行為そのものは歯科衛生士という専門職の業務であり、歯科における「予防」といっても、しょせん歯を磨けとか、フッ素をつけるとか、食生活の注意くらいなのです。

病気の診断や治療の難しさに比べたら、大したことではないのです。医科でもそれは同じはずです。誤解しないでいただきたいのですが、わたしは「予防」を否定するつもりはまったくありません。

それどころか、予防することで病気が防げるのなら、それに越したことはありませんから、必死になって歯科衛生士を鍛えて、歯科疾患の予防業務に従事させています。

治療してから予防


でも、いま病気を抱えている患者さんに必要なことは、「予防」ではなく「治療」なのです。治療して健康を取り戻してから、その健康を維持・増進するために、「予防」が出番となるのです。

「予防」行為が本当に必要で効果的なのは、病気になる前か、治療して健康を取り戻したあとです。歴史的に見ても、医者は病気の診断と治療が本分です。本来、「予防」の主役は行政なのです。

患者さんの口の中は、自覚症状がないだけで、実は病気が蔓延しているのがほとんどです。患者さんが気になっていないからという理由で、放置されている病気を見過ごす姿勢は、医療従事者としては失格でしょう。

歯を失う原因になる疾患の大半は、自然治癒がありません。放っておけば、悪化するのは分かりきっているからです。必要な治療は山ほどあるのです。

歯の治療はやってもやってもダメ?


ここでもう一度、先ほどのキャッチコピーを見て下さい。

『こ れからは「治療」ではなくて、「予防」の時代です。歯の治療は、いくらやってもいずれはダメになり、抜かれて入れ歯になるというように、「治療」には限界 があるのです。だから、虫歯を見たらすぐに削る歯科医には注意しましょう。虫歯は再石灰化するので、探針で突ついて傷つけないようにしましょう。もしも虫 歯で歯に穴が開いたら、そこのところだけを歯と同じ色のレジンで詰めましょう。また、よく歯を磨いてフッ化物を使用し、定期的に歯科医院に通いましょう。 これがミニマル・インターベンションという最新の治療法です』

一般的な、または常識的な歯科治療とは、まさにこの通りではないでしょうか。歯科医の多くも、この現象を自然の摂理のように捉えている節があります。一言で言えば「治療はダメだからこれからは予防だ」ということになりそうです。これが一般的な歯科医の発想なのかもしれません。

本当に治療がダメなら、その病気は、一昔前なら「不治の病」ですし、現在なら「難病」に指定されているはずです。病気の原因や治療法が確立されている虫歯や歯周病が「難病」ではないことくらい、子供でも知っています。

治療になっていない「治療」とは


にもかかわらず、なぜ歯科医だけがこんなことをいうのでしょうか。

その理由は、歯科医が、詰めたり被せたり、神経を取ってサシ歯を入れたり、歯を抜いてブリッジや入れ歯やインプラントを入れるような「機能回復の手段」を「歯の病気の治療」と勘違いしているからです。

歯科医は、口の中の土木工事である「機能回復の手段」を「治療」と呼ぶ異常な感覚の持ち主なのでしょう。歯科の機能回復処置は、メガネや義足と同じ性格のものですから、日常生活では役に立ちますが、それ自体は、病気の治療とは直接関係ありません。

「機能回復の手段」を「歯の病気の治療」と勘違いしていては、いくら歯をいじくっても病気は治りませんし、再発するというよりは、放置された病気が進行するのは当たり前でしょう。

治療と機能回復の関係は?
 

早期発見・早期治療


病気の治療を考えたなら、虫歯も歯周病も従来通り、早期発見・早期治療が原則です。初期であればあるほど、簡単で完全な治療ができるからです。

虫歯で再石灰化が望めるのは、きわめて初期であり、それも平滑面という限られた場所です。虫歯で問題になる部位のほとんどが、噛む面にある溝(小窩・裂溝)と歯と歯の間(隣接面)で、再石灰を望むのは構造上不可能なのです。

それを知っていれば、現在、歯科界で流行っているミニマル・インターベンションの考え方は見当違いもいいところでしょう。それは、治療を先延ばしにして治療の条件を悪くさせるだけの効果しかありません。